網代壁の庵には幻住庵の額がかかり、部屋の中には机や筆立て、引き戸のある棚に巻紙などがみられる。
 松尾芭蕉は、頭巾を被り、書物を広げ、丸窓から団扇に菓子を乗せ、子どもに差し出している。
 腹掛けをした子供が両手一杯の石を集めてきて差し出し、後ろには赤ん坊をおぶった四つ身の着物の子が笊をもって続く。この小石は、『法華経』の経文の一文字を書き入れるためのものである。
 網を持つ子供が、虫を取ろうと棹を伸ばしている。その先には蝉が扁額の枠にとまっている。
 
廣重美術館蔵

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