画面を構成するのは、巫女姿の女性と、大太鼓(だだいこ)の前に坐り、折烏帽子(おりえぼし)を被った男性、裃を付けた二人の男性の四者である。
 画面中央部分を占めるのは、神式の装束を着けた二者である。
 右手に神楽鈴を持ち、左手で幣串(へいぐし)を担いだ女性は、当地に寺院を建てることを勧める旨の神託を伝えた巫女である。舞を奉納する巫女と神託を受ける巫女は、通常別々の存在であるが、当該霊験譚では両者の役割を混同している向きがあるとも考えられる。そして画面左下、大太鼓のばちを両手に持つ男性は、神楽の奏者であると推測することができる。
 また画面右下端に、二人の男性が描かれる。彼らは霊験譚中に表れる当地の長、そして、彼に集められた里人らの何れかであろう。
 当該画面は、この地に神社を再建する際、神楽を奉納して神意を伺った場面を絵画化したものである。
廣重美術館蔵

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