荒木丹下
 黄色と黒の三升格子柄(みますごうしがら)の入った茶色の着物に、白の小菊柄を散らした緑の男帯を締める。下帯には空摺(からずり)が施されている。素足に下駄を履き、腰には刀を差す。

順礼の娘
 青色の手甲と、赤色の脚絆を着ける。半四郎鹿子柄(はんしろうかのこがら)の袷着物の上に、白の袖無し羽織を着る。半四郎鹿子は、文化六年(1809)に五代目岩井半四郎が八百屋お七に扮した時、浅葱色の変わり麻の葉鹿子を着ていて、これが爆発的に流行した。以後、半四郎鹿子と呼ばれる。
 中に鹿子柄の着物、もう一枚着物を着る。髪は紅鹿子の元結とすすきかんざしを挿す。すすきかんざしは「文政末年、江戸にて流行す。処女・娼妓ともともに用ふ。団扇とこのすすき芒の簪は、今も芝居にて田舎娘に扮する者はこれを用ふ。けだし芒を専らとするなり」と安政元年(1854)刊『近世風俗志』に記述がある。


廣重美術館蔵

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