当山は、空を凌ぐほどの高い山で、なお奥の院に登って月宮の桂も折れるほど高く、深い谷を臨んでは、樹木がうっそうと繁る中に露を集めた清水は煩悩の垢を清める。岩上には愛宕、金毘羅を鎮護の神として祠っており、すべての岩の頭に弘法大師の護摩檀石、仏国禅師の座禅石、そのほか諸神、諸仏の尊躯が堅固に並び立っている絶景の霊場である。
 
 秩父次郎重忠
 当国の住人、秩父別当武基の曾孫の子である太郎重弘が当寺の尊像を信じ、大檀那であった。ので、重弘の子の重能、その子の重忠が特に信じて、霊験を蒙ることが少なくなかった。

廣重美術館蔵

(C) 2001 International Research Center for Japanese Studies, Kyoto, Japan. All rights reserved