画面中央で、長刀と棒が交差している。長刀を持つのは鎧で身を固めた武士であり、棒を持つのは僧兵と思われる僧形の男性である。
 大鎧を身に着け、腰に太刀と打刀を帯びた画面右方の男性は、宇都宮時朝方の武士であると考えられる。彼は、眉を吊り上げて口髭を蓄えた口許を引き締め、長刀を僧へと振り下ろしている。僧衣の両袖を襷掛け(たすきがけ)にして棒で応戦する画面左方の僧は、時朝が佐白の伽藍を破壊して軍営を構えようとした時に抗戦した佐白の僧徒である。
 当該画面は、観音堂が開かれる契機となった元久二年(1205)の戦いを描くものである。
白木利幸氏蔵

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