承和(しやうわ)五年の夏(なつ)季候(きこう)厳寒(けんかん)の如くになりて人馬の死傷(しせう)夥(おび)たゞしけれバ領主(りやうしゆ)小田(をだ)宰相(さいしやう)将治(まさはる)金穀(こく)を尽(つく)せども普(あまね)く救(すく)ひがたけれバ三宝(ほう)に祈願(きくわん)せしに朝日(あさひ)の前(まへ)といふ美女(びちよ)来りて此小田川のふちよりわき出る甘露(かんろ)を呑(の)ましめなバ利益(りゑき)ありとをしへし如くその甘露をくミしに其中より一寸二分のだごん仏を得てきかつを救(すく)ひ此仏の開基と成られける

白木利幸氏蔵

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