当山の本尊は大きな岩であるので、罪が重い者は御姿を拝む事はできない。
 昔、三河国吉田に一人の農民がいた。家が貧しかったので、妻と三歳の息子の源三郎を残して鎌倉へ稼ぎに行ったところ、下野国宇都宮の女に馴染み、ついにその女の里へ行ってしまった。一方、国の妻は亡くなり、源三郎は十二歳になって、父に会おうと乞食をして当国へ来た。観音の利益によって、父子の対面を果たした霊験がある。

白木利幸氏蔵

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