北條相模守時頼
 当山は、もとは二階堂観音院と号し、行基菩薩、慈覚大師、恵心僧都の作である十一面観音の霊像が三躯いらっしゃる。その霊験はあらたかなもので、頼朝卿は殊に信じられ、香花料として田畑をご寄進された。
 昔、近所に起こった火事の折、この御三躯が庭の大杉の根元に飛んで光明を輝やかせられた。こうした不思議なことから大蔵山杉本寺と改められた。
 行基の作の尊像には門前を通行する者を落馬させるという不思議なことがあり、時頼の命令によって大覚禅師が袈裟で尊像の顔を覆うと、その後は落馬する者はなくなった。それ故に覆面観音と尊ばれる。

神奈川県立歴史博物館蔵

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