イトスギ,ウバスギ 1990年 長野県 古宮にいと杉・うば杉という大きな杉の古木があった。ある時、松本の殿様が諏訪の大太鼓にするからと譲り受けることになった。しかし、あまりに大きいので伐っている途中で日が暮れた。翌日伐りに行くと、伐ったところが元通りになっていた。何度やっても同じなので、一日で切り倒すために大勢で伐った。すると切り口から血が流れ出した。
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リュウ 1990年 長野県 古宮の大木を切り出して諏訪まで運ぶ途中、この木は木崎湖で竜に変わって湖へ入ってしまったという。木崎湖の主はこの竜だという。
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ヤマノカミ,カミカクシ 1933年 熊本県 山の神の大木を伐ったら、2,3日大風が吹いた。伐った人の子供と妻が一緒に歩いていたら子供の姿が急に見えなくなった。
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ヤマノカミ 1963年 群馬県 月の17日は山の神の日だから木を伐ってはならないともいう。
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ゴシンボク,ケヤキ 1990年 長野県 叶里のお宮にあるけやきの木は伐ってはいけないといわれていた。ところがある人がこの木を伐ったところ、木から血が流れて、その人は死んでしまったという。
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スギ,コモチスギ 1956年 宮城県 鹿島神社にある杉。この杉を抱えれば子が生まれ、杉に背中をつけると生まれないという。
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テングノコシカケギ 1929年 東京都 ある家の隅に1本の杉の大樹があり、木こりに伐らせたところ、家のものが病気になった、修験者に聞くと、伐った樹は天狗の腰掛樹であった。その樹を伐った為であったと言う。
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スギノキ 2002年 香川県 昔、二ノ坂神社には二丈ほどの杉の木があった。これを伐って売ったところ、触った人には祟りがあったという。
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キツネ 1985年 和歌山県 杉の大木があり、そこに狐が出て、女の姿になって出るといった。
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テング 1978年 広島県 佐助という者が風畝山の天狗松を伐ろうとしたら天狗が邪魔をしたので伐ることが出来なかった。また、山中の桂の大木を伐ったり、山樵が藤蔓を伐って火にたくことは祟られるので忌んだ。
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ダイジャ 1989年 長野県 小池という淵に大蛇がいるという。そこの木を伐ると祟るといわれている。木を伐った人がいたが、本当に病気になってしまったという。
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キツネノコエ 1940年 滋賀県 山で松の木を伐っていると、木を伐ってくれるなという狐の声がする。男は狐に憑かれ、体を弱くした挙句、様々の祈祷の甲斐もなく死んでしまった。
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オオスギ,キノセイ 1982年 新潟県 昔、村はずれに直径4、5丈もあろうかと思われる大杉があった。この杉を伐りはじめると木の中から泣くようなうなるような怒るような声がしてきて、さらに伐り口から滝のような赤い血が出たので若者たちは逃げ帰った。翌日木は元通りになっている。これが繰り返されたので、人数を3倍にして三日三晩かけて木の下に火をたいて、伐りくずをドンドン燃やし、ようやく伐り倒すことができた。大杉が元通りになったのは、夜中に他の木の精が見舞いに来てその伐りくずを杉につけるからだという。
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シイノキ,シンボク 1986年 茨城県 古河城の出城諏訪郭に諏訪三河守が諏訪大社を勧請し、神木として椎の木を植えた。大木になったので近所の人が切り倒し、薪にした所祟りがあったという。
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シチニンミサキノサワリ 1970年 岡山県 西谷のシチニンミサキは、昔大木があったのを伐ったところ、牛を死なせたり、伐った人が死ぬ目にあうというようなさわりをうける人が多かったので、オガミヤにみてもらって祀った。
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テング 2001年 宮崎県 古墳の麓に古木があり、天狗が住んでいたため、天狗杉と呼ばれていた。天狗は山奥に住んでいて、人間に似ているが顔が赤く、鼻が高く、翼があって空中を飛び回れる。天狗は杉から飛び立って別の杉や松に宿ったという。
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ツエ 1925年 徳島県 左右内村の杖杉菴の杖杉は、衛門杉とも言われる。四国巡拝の開祖、衛門三郎が入寂したあとに、弘法大師が杖を立てたところ、成長して杉になった。
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テンゴ 1977年 富山県 合祀によって伐採された杉の祟りを恐れて、一本だけの残されたのがテンゴ杉である。
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スギヤクシ 1956年 宮城県 天平(729~749)の昔、孝謙天皇が御不例で、医薬効なく太史に占わせたところ、陸奥にある高さ数十丈の大杉の枝葉が雲をしのぎ、その陰が皇居に達しているさわりと分り、大納言某を遣わして伐採を命じた。某は築館の地に大杉を発見し伐ったところ、伐り口から血が流れ、翌日はふさがって元通りになる。幾ら伐っても同じことであった。杉の東北の広野にある茅萱を縄とし伐り口をふさげば伐れるという占いによりようやく伐り倒す。切りくずは飛散して一片もなかった。天皇の御病も治り、勅命で伐り口に仏堂を立てた。のち慈覚大師が薬師如来を安置した。
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スギノタタリ 1983年 岩手県 話者の山に生えていた、神木と言われた杉を伐った人夫が死に、買った人は失明した。祟りを鎮める為に、山の神と若宮八幡を祀った。
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テング 1951年 岡山県 天狗の休木を伐るとよくないといい、もし伐った際には神様に拝んでもらう。
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