タヌキ 1992年 奈良県 夜になると、名前を呼んで戸を叩く音がする。けれども戸を開けてみると誰もいない。いっぺん脅かしてやれと思い、戸の所で待っていて、戸を叩いた時にパッと戸を開けたら狸がいた。狸は前足で戸を叩くのではなく、逆立ちして後ろ足で叩いていたという。
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キツネ 1989年 群馬県 狐に化かされたと思うときには、煙草を吸えば狐が逃げる。
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ヌレオナゴ 1991年 愛媛県 たかなご坂を通ると女が赤子を抱いていて、「子を抱いてくれ」と言った。抱いてやると赤子が次第に重くなったので放り出して逃げると女は追ってきた。家に入って戸を閉めると、女は先が鉤になった髪の毛を投げつけてきた。朝見てみると、釣り針のような毛が戸に残っていた。二枚戸だったので助かった。それで「二枚戸は祟られん」という。
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キツネノヨメイリ 1932年 愛知県 天気が良いのに雨が降るのは、狐が嫁入りするところだからである。
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キツネ 1938年 鳥取県 狐の穴をつけば狐がつく。
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シノダノキツネ 1966年 山形県 昔あるところに一人暮らしの男がいた。嫁を欲しいと思ってはいたがあきらめていた。信太の狐と呼ばれていた大狐がその心中を察して、男の元を女に化けて訪れ嫁となった。子供も産まれたが、ある日狐の姿で子供を抱いて寝ているところを見られた。子供に情のある狐は事情を話し、昼間は子供に乳を飲ませに来ると約束して、信太の森に帰っていった。
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ニンコ 1914年 島根県 人狐の系統は縁組を避けられる。人狐を狐持とも言う。突然、家の者に狐が憑き、狐持の家になることがある。狐持になった家とは絶縁し、交際しなくなる。狐持と称する家は、概ね富裕の家が多い。
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キツネノヒ 1963年 岡山県 狐の火がともるのは狐が嫁入りしているからだと言う。ある人が親類の法事に行くのに山道を通っていると、道が分からなくなり、散々迷った。跡からの話では狐に騙されたのではないかということである。
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キツネモチ,ヒトギツネ 1922年 島根県 出雲では狐持は嫁に貰わないという。狐持の家と親類になれば、すぐに狐が憑いてくるとか、狐持の家の床下には多くの狐が住んでいるとか言い、それが人に憑くと気違いになるといって狐持ちの家を嫌っている。
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タヌキ 1992年 奈良県 昔、小さい家に若い男が1人で住んでいた。そこに、毎晩、名前を呼んで訪ねて来る人がいた。けれども戸を開けると誰もいない。ある時戸の隙間から見たら、狸が後ろ足で戸を叩いていた。そこで「こらっ」と言って開けたら逃げた。それからは来なくなった。
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キツネ 1976年 いつも狐に餌を与えていた人がいて、狐もよく慣れていた。しかしその家に子供が生まれたためにえさを与えることを2,3日忘れた。すると狐は怒って生まれた子供を食べた。
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キツネ 1938年 長野県 狐をたすけた男が、女に化けた狐と結婚して子供を作った。女は子どもに狐の姿を見られ、子供を遠ざけようとするが、子供は聞き入れなかった。
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キツネ 1936年 新潟県 縁の下に住んでいた狐が、物欲しそうにしていたので、寺子屋の子供達が食べ物をやった。1人の子供が、狐にあげるご馳走を少し食べた。この子供はうわ言を言うなど、狐に憑かれた。親が狐の穴で謝ると、子供は元に戻った。
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キツネ 1972年 千葉県 用崎というところには狐が沢山いて、狐に化かされたり、狐の相撲を見たりすることがたびたびあった。
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タヌキ 1992年 奈良県 夜中、お寺に「こんばんは、こんばんは」と言って戸を叩く者がいた。けれども戸を開けると誰もいない。寝間に戻ると、また戸を叩く音がした。このようにして狸に騙されることがしばしばあったという。
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キツネ 1972年 千葉県 狐に化かされそうになったら、足元を見るといい。狐はばれたと思って逃げていく。
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(ヨミジガエリ) 1982年 新潟県 行こうと思ったけれど、戸が開かないので戻ってきた。
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クダギツネ 1955年 静岡県 クダ狐は人が戸を開けるとき一緒に入ったり、障子の穴から入ったりして、あっちこっちに行く。狐が憑いている人にはわかるが、可愛く思えて他人に告げられないという。
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ワライオナゴ 1957年 愛媛県 僧都のある家の先祖が、笑い女に会った。家に逃げ込んで戸をたてると、その女子は髪がツリになっていて、戸をぽんと叩いたら穴があいたと言う。
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キツネ 1938年 長野県 狐が体の中に入ったとき、口の所へ油揚げを持っていくと、狐が舌を出してそれを舐める。また、狐が寝ているとき、石を投げて起こすと狐に憑かれる。
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ヒトギツネモチ 1922年 人狐持ちから憎まれたらすぐに取り憑かれる。その使いは人狐で、取り憑かれた人は人狐そのものになり、種々のことを喋る。狐持ちが狐を通じて自分の考えを言わせるのだという。四つん這いになって狐のまねをし、狐の好きそうなものを喜んで食べる。
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