オニ 1941年 朝鮮 ある兄弟の乞食がいた。兄は心がよくなく、弟は良い心の持ち主だった。弟が物を沢山貰うのを妬み、兄が弟の目を棒で突き刺し、弟は盲目になった。ある日弟は固い栗を拾い、ある空き家の二階で休んでいると、鬼が目の癒し方を話している。弟が栗を囓ると音が大きく、それに驚いた鬼たちは逃げた。弟は言うとおり木の葉で目を洗うと目が見えるようになり、鬼たちの置いていった宝で大金持ちになった。兄も同じように目を潰し弟のようにしたが、逆に鬼に殺されてしまった。
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ジャタイ 1975年 香川県 兄弟のうち信心深い兄が寺参りの途中、大きな音がしたので弟が猟で大物を取ったと思ったがそのうち大蛇になった。弟は悲しんで兄を池に連れて行った。以来猟がうまくいかない弟に兄は片目をくり抜き、それで酒をつくれと言った。成功した弟は、大蛇の力を使っていることを咎められ、再び兄を沈めなくてはならなくなった。
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ホトトギス 1974年 長野県 兄が病気で寝ていると弟がホドイモを持ってきた。兄は弟の食べ物をうらやみ弟の腹を裂くが、中はホドイモの皮ばかりだった。自分は皮を食べて、よい部分を兄に食べさせていたのだった。悲しんだ兄はホトトギスになり、「ホッチョカケタカ、オトットキタカ」と鳴く。
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ダイジャ 1943年 香川県 昔、当願、暮当という兄弟の猟師がすんでいた。兄は志度寺にお参りし、弟は食料がないので山で狩猟をした。兄は法席で銃声をきき弟をねたましく思ったので、首から下が蛇身となってしまった。弟は兄をかわいそうにおもい、幸田池までおぶっていき、兄の願いをききれ池に入れた。兄は大蛇となって自分の目をくりぬき、この目をかめにいれて酒を造れと渡した。弟は兄の言うとおりに酒を造り、家は栄えた。
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リュウ 1934年 秋田県 昔、兄弟が淵の底から朱を取って暮らしていた。弟は朱を独り占めしようとして、一計を案じ、兄が淵にいけないようにした。その後、弟が朱を取りに行くと、弟が作って置いた竜が生きていて、弟を飲み込んでしまった。
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ホトトギスニナッタオトウト 1956年 宮城県 昔、弟思いの兄と、自分のことしか考えない弟の2人兄弟がいた。ある日兄は芋を掘り、自分はガンタン(芋のつるの下のおいしくない部分)を食べ、実は弟に食べさせた。弟は「俺にこんなにうまいところを食わせたから兄はもっとうまいところを食ったに違いない」と疑り、兄を殺して腹を割き胃袋を調べた。しかしそこにはガンタンばかりだった。その悪業により弟はホトトギスになり、「ポトサケタ、ポトサケタ」と8千8声日に鳴いて罪滅せねばならなくなってしまった。だから日中に鳴ききれないと、夜中まで「ポトサケタ、ポトサケタ」と、血を吐きながら鳴かなくてはならない。
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カッパ 1930年 宮崎県 ある兄弟がいて、9つになる弟が夏の日に水泳ぎに行ったまま帰ってこないので、兄が探しに行ったら、弟は、10人余りの河童とかわるがわる相撲をとっていた。
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ヒトクイ 1969年 福島県 城主に二人の兄弟がいたが、弟が兄を食い殺してしまう。人を食うことを覚えた弟は美女に変装して安達ケ原に籠もり、やがて東光坊に祈り殺された。
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ムスウノテ,シャシン 1999年 栃木県 ある姉弟が海に行き、弟が海に飛び込むところを写真に撮った。しかし弟は飛び込んだまま帰ってこなかった。1ヶ月後に現像された写真を見てみると、まさに海に飛び込もうとしている弟を、海から突き出た無数の手が掴んでいた。
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シンダヒトヲセオッタオンナ 2000年 山奥で「つりてぃこー」という女の声がした。貧乏な兄弟が声の正体を確かめることにした。まず兄が山に入ったが、怖くなって逃げてしまった。次に弟が山に入った。するときれいな女の人が現れた。女の人は背負っていた死体を弟に背負わせて逃げた。弟は死体を背負って家に帰り、布団に入って寝た。翌朝、死体は黄金の塊になっており、兄弟は金持ちになった。
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イシウス 1979年 鳥取県 大晦日の晩に旅の乞食坊主が宿をたのみにきたのを、欲張りな兄は断ったが、貧乏な弟は泊めてやった。乞食坊主はお礼にと欲しいものがなんでも出てくる石臼を弟に渡した。欲深い兄は弟にその石臼を借り、自分の物にするつもりで海へて、塩を出したが止め方がわからず、石臼とともに海に沈んでしまった。海の水が塩辛いのはこのためである。
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(シノシラセ) 1967年 愛媛県 船乗りだった弟が死んだとき、鳥がマストの上に来て鳴き、嫁の夢枕にも弟が出た。仏が出て来るときには、ことばはその国の訛りになると言う。
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ヒノタマ,ジャンジャンビ 1935年 奈良県 高橋堤の東側に、非人の兄弟がいた。仇が郡山藩に仕えていたので、敵討ちを狙っていたが、兄は足が悪く、弟が留守の時に殺された。弟は仇をおびきだしてあだを討った。その兄弟の魂が火の玉になったといわれている。
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ダイジャ 1977年 香川県 狩人の兄弟の兄、当願は仏罰で蛇になった。目の玉をくりぬいて弟に渡し、桶の中に水と一緒に入れておくとうまい酒になるが、中を見てはいけないという。弟は酒屋になるが、近所の人がふたを開けてだめになる。
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オトボサマ 1959年 愛知県 オトボ様という高さ5、6尺の岩がある。昔、仲の悪い兄弟がいた。川向こうにいる兄に腰を射られ、弟が死んでしまう。その弟を葬ったのがオトボ様で、祈ると腰から下の病に効くという。
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ハチロウガタノヌシ 1983年 岩手県 兄弟3人で釣りに行き3匹の魚を釣った。それを末の弟が1人で食べてしまったら、無性に喉が渇いて池の水まで飲み干してしまい、山が崩れて海になった。それが八郎潟で、末の弟はその主になった。
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テング 1919年 千葉県 修験から神主名になった人がいる。ある時2人の兄弟が京に行ったが、弟が行方知れずになった。その後大風が吹いて、杉の上で戻ってきたぞと言う弟の声が聞こえた。狗賓さまとなったこの男は今でも生きている。
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ダイジャ 1987年 徳島県 山を焼いてそばを作る兄弟がいた。あたりでは直径25センチもの大蛇が出るということで、兄弟以外はみな山を下りていた。ある日、ザーザーと山鳴りがして大蛇が兄弟の前に現れた。兄は逃げ帰ったが、力自慢の弟は退治しようと大蛇と闘った。皮が固く、仕留められないまま家に帰った。兄達は弟が食われたと思って提灯をつけて探し回っていた。
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ヒヒ 1960年 福島県 昔鉄砲撃ちの兄弟がいた。兄が山深く入ると、女が苧績みしていたが、兄は化け物と思って鉄砲を撃ったが、女は手で受け止めてしまい兄は食われてしまった。弟も山に入り食われる危険を感じたが、叫び声の後静かになり、朝見ると狒狒が死んでいた。
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ユメ 1976年 天皇に2人の息子がいた。兄の豊城命は、御諸山で槍と刀をふるう夢を見たといい、弟の活目命は四方に縄をめぐらして、粟を食う雀を追う夢を見たといった。天皇は夢あわせをして、兄は東国を平定し、弟は自分の位を継ぐようにいった。
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オニ 1991年 鹿児島県 姉弟二人のうち弟がいなくなった。集落の人が弟は鬼になって山にいると言うが、姉は信じようとしない。握り飯に針をさしたものを作り、それを食べるなら鬼だと教えられその通りにすると、全部おいしいといって食べた。姉は本当だと信じ、逃げると鬼が追いかけてきたが裏白のしげみにかくれて難を逃れた。また、ススキの根の赤いのは鬼の血だともいう。
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