クスノキマサシゲ 1976年 福井県 楠正遠の末子、恵秀律師は越前の平泉寺の僧であった。彼が本尊の前に座っていたとき、目の前に兄正成が現れた。どうやって来たのか尋ねると、正成は補陀落浄土から来たといった。不思議に思って、上方へ使いを出すと、正成の姿を見たちょうどその時刻、正成が討死していたことが分かった。
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ヒメ,ヒメナグサ 1928年 新潟県 漂着した舟に美しい姫が乗っていた。村の若者達が姫に熱心になったため、村の娘達は姫を恨むようになった。姫は入水して死に、それからは川の水が濁った。河原には小さな草が生え、人々は姫の精だとして姫名草と名付けた。
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〔ウスグモヒメ〕 1961年 愛媛県 山内式部大輔の娘は薄雲姫という美女だった。結婚の申し入れをはねつけたために戦になり、姫は風透山に落ちのびた。そのうち姫の元に男が通うようになったが、姫が二世の契りを申し出たところ、男は立ち去った。姫は男の裾に糸をつけ、後を追っていくと、風透山の風穴に入って消えていた。姫は驚き、その後病気になって死んだ。
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ギンナン,シロヘビ,オンリョウ,タタリ 1990年 京都府 昔、殿様が糸織り姫を愛するのに嫉妬した者が、姫は他の男と約束を言い交わしたと言ったので、殿様が立腹して姫を殺した。この姫は松平家7代まで祟り、そのため子供が生まれなかった。姫が殺された日から銀杏の木に大きな白蛇が棲むようになったので、これは姫の怨霊が蛇になったものだといわれている。銀杏を食べると腹痛になるともいう。
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ウリコヒメ,アマノジャク,ヤマンバ 2001年 石川県 ある日、婆ちゃんが川上から流れてきた瓜を拾って帰った瓜の中に姫がいた。瓜姫小女郎と名づけられた姫が機織をしていると、天の邪鬼がやってきて姫を連れ出し、木につるして自分が姫に化けた。天からの迎えが来たときに、正体が天の邪鬼であることがわかり、天車を持ってきた人は天の邪鬼をひきずり落として踏み殺し、本物の姫を乗せていった。
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ダイジャ 1928年 大分県 速水姫という大切に育てられた姫がいたが、年頃になったとき、沈蛇の瀧に飛び込んでいなくなってしまった。姫が飛び込んだ日を命日にして、一周忌の日にお通夜をしていると、姫は以前のままの姿で帰ってきたので、親族は大喜びした。就寝中は声を掛けたり起こしたりするなという姫との約束を破って家人が覗くと、部屋に大蛇がのたくっていた。仰天して騒いでいると、蛇は姿を消した。
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タタリ 1983年 香川県 身分の高い美しい姫が一隻の船に乗って流れ着いた。姫は身重で、船の中にはきれいな衣装や立派な調度品が積まれていたが、悪人が餓鬼のように襲いかかったため、姫も財宝も海中に沈んでしまった。それ以来、不漁や病人続きとなり、仏のお告げで姫のたたりとわかったため、姫を祀ったところ災厄がなくなったという。
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アマノジャク 1960年 福島県 昔婆さんが川で洗濯していると胡瓜が流れてきて、家で爺様の帰りを待って切ってみると中から女の子が出てきたので、瓜姫と名付け機織などを覚えさせた。ある日姫は言いつけを守らず機織り中に戸を開けてしまい、あまのじゃくが姫を食って姫になりかわっていた。
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ツシロヒメ 1971年 鹿児島県 数百年の昔、敵の軍勢に囲まれた津城から逃れ長瀬まで逃れた姫が海に身を投げた。毎年その時期になると姫の霊魂が白鷺になってドンドロの松の木に来るといわれる。明治中期に硫黄鉱山の仕事をしていた谷山出身の男が人知れずこの姫のもとに通っていた男がいたが、財宝を掘り当てこの男は姿を消した。また二十六年前、長瀬では姫の宝物が光を放っており、これを探しに行った男二人がどこからともなく現れた姫や侍女の乗った舟にさらわれ地球上から消えた。姫のいる幸の国に行ったものか。
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ウリコヒメ,テンセイ 2001年 剣持弘子は瓜子姫の物語で、さらわれた姫の言葉の後に「ピーヒョロ」などと、鳥の鳴き声がつくのは、より古い形では姫が殺されて鳥へ変身するという展開であったと類推している。
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スジガミサン,(ゾクシン) 1961年 愛媛県 筋神さんの祭神は石川備中守の側室・幼名菊姫とその息子・虎武丸ほか3名。四国征伐の折、援軍を求めた姫が旅路で筋病を病んだ。援軍を得られないまま城が落ち、落ちのびさせた子が殺されたことを聞いた姫も自害した。後に筋病の神として祭られたが、姫が生前冷酒を好んだため、願掛けにはオリカケダルを作って神酒を入れ供えるという。
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オヒメサマ 1989年 山梨県 お姫坂には昔水溜りがあって、お姫さまがそこに出たからお姫坂と呼んでいる。
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イシジゾウ 1950年 徳島県 姫が、ある辻に出るので、みんな怖がっていた。節は、現れてきた姫を討ち下し家のほうに急いで帰った。翌日行ってみると、石地蔵が切られていた。
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オヒメサマ 1989年 山梨県 お姫さまに化けて出てお姫坂と呼ばれるようになった。
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ムジナ,サクラヒメ 1984年 新潟県 海潮寺にまつってあるムジナを人々は桜姫といった。本堂が傾いたことがあり、総がかりで引っ張ったがびくともしない。住職が桜姫のところへ行って頼んだらすぐに元通りになった。
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(ホトケノカゴ) 2004年 盗賊が中将姫の庵を襲おうとしたが,仏が姫の周りを護っていたため果たせなかった。
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タマツヒメ,タマヨリヒメ 1928年 福岡県 玉津姫(もしくは玉依姫)は身分の高い姫であったが、顔に痣があったので、なかなか縁がなかった。悲嘆の思いを込めて縁の神様と呼ばれた三輪大明神に7日7夜の時詣りをした。満願の夜、社殿で伏していると神さびだ声が聞こえてきて、夫は三重の炭焼き小五郎で、夫婦になると大長者になるといわれた。朝起きると、姫は信託のとおりにした。
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クズリュウシン,ヤマヒメ 1928年 長野県 九頭龍山の本性を見ようと山に入った代官は、途中で山姫に会い、その姫の吐く毒息に当たって病となった。
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アコヤマツ 1956年 宮城県,山形県 実方の娘の阿古屋姫は千歳山麓に来て庵を結び,父の冥福を祈っていた。秋頃から男が毎夜姫の許に通ってきた。その頃陸前名取川の橋が洪水で流され,占いの結果千歳山の老松を橋にすれば流れないといわれたので,名取の里人はその木を買い取った。しかし松は非常に堅く,ようやく少し伐り込んでも翌日になるとその痕跡すら消えている。伐り屑を焼くと仕事が捗るようになった。松が伐り倒される前夜,姫の許に通ってきた若者が自分の正体は老松の精であると明かした。数日後,松の巨木が運び出されることになったがびくともしない。これを聞いた姫が巨木の背中を撫でて打ち乗ると大木は動き出したが,姫が降りると動かなくなる。柴田郡の古関で姫が懇ろに松を諭したので,その後は無事名取川の辺に着いた。
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ニュウバイ 1983年 兵庫県 丹生山田に入梅氏の者がいて、その先祖が、時の右大臣豊成公の娘・白滝姫(中将姫の姉)に恋をしたが、豊成公は身分の不釣り合いを思い、姫からの和歌の返歌次第とした。しかしその返歌の出来が良かったので姫を嫁がせ、天国の刀を添えて送った。彼は姫を弁天に、天国を神体として祀り、入梅となるとこの社の下から水がわき出るという。
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ワカミヤサマ,タタリ 1965年 高知県 昔、小松玉姫という姫が髪を梳いていて、髪が兄の袴に触れた。兄は姫を無礼討ちにした。その後たたりがひどいので、山の神に若宮様として祀った。そのときに巻物と鏡を納めた。後に、遍路がそれを盗み出したときにも、遍路にたたりがあったという。
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