日本人は昔から多くの妖怪(ようかい)や怪異現象に関する伝承を伝えてきた。人々はキツネやタヌキといった動物に神秘的な力を見出し、身辺に起こる「不思議」を理解しようとしたり、想像力を駆使し、鬼や天狗(てんぐ)、河童(かっぱ)のような存在の仕業として説明しようとしてきた。
国際日本文化研究センター(京都市)の「怪異・妖怪データベース」は、民衆に伝えられていた怪異・妖怪についての報告・記述を、民俗学系の雑誌や江戸の随筆から拾い出した地味なデータベース(DB)だが、02年の公開以来、予想を超えるアクセス件数を数えている。
そこで、しばらくこのDBを手がかりに、妖怪たちの多様な姿を紹介してみたいと思う。(記事はDB未入力分も含みます)
(小松和彦) |